梅雨が明けて、いよいよ夏本番。
高温多湿の日本の夏は熱中症が起こりやすい環境にあると言えます。
毎年死亡事故が起きていて、しかも真夏でなくても室内にいる方にでも起こっています。
スポーツする時だけでなく、いろんな条件で起こりうる熱中症を高齢者の事例も交えて正しく理解しておきましょう。
熱中症の症状で高齢者の父、救急車で運ばれる
昨年、80歳の父が救急車で運ばれ、熱中症と診断されて病院に1泊。
普段は、週に1回ゴルフに行き、農作業・山仕事もこなす元気な人なので、あまり心配したことがなかっただけに、いきなり救急車と聞いてとても驚きました。
まず一般的な熱中症の種類と症状です。
●日射病…炎天下で長時間直射日光を受けたり、大量に汗をかいて脱水状態にな り、一時的に循環血液量が不足して起こります。
症状は、めまい・顔面蒼白・一過性の失神などがあります。
●熱痙攣…高温下で激しい労働や運動をしたときに、大量の汗をかいたのに、塩分 補給をしないで水分だけを補給していると起こりやすいです。
症状は、筋肉に痛みを伴った痙攣がおきます。
●熱疲労…高温時、運動した時に、大量に汗をかいて起こります。
脱水とともに体内に熱がこもるのが原因で、
水分補給をしないでいても起こります。
熱射病の前段階ともいえ、すぐに医師の診察が必要です。
症状は、強い口の渇き・倦怠感・強い疲労感・頭痛・めまい・興奮・高体温・昏 睡などがあります。
●熱射病…熱疲労が重症化し、異常に体温が上昇します。
発汗が止まり皮膚は乾燥します。
体内で血液が凝固し、全身の臓器に障害が起こり、
死に至ることもある危険な状態です。
症状は、40℃以上の高体温・発汗停止・頻脈・血圧上昇・中枢神経障害・多臓 器不全・昏睡などがあります。
熱中症の症状、歩けなくなった高齢者の父。
父の場合は、山で作業をしての帰り、途中で歩けなくなって
座り込んでいたのを近所の方が見つけてくれて、救急車を呼んでくれたとのこと。
上記の症状の中では、高温下の作業・脱水・強い疲労感などが
当てはまったようです。
普段、帽子をかぶりペットボトルにお茶を入れて携帯しているのですが、
やはりスポーツドリンクや塩飴など、熱中症対策をしておかないと
危険だということがよくわかりました。
また、起こりやすい条件というのがあります。
熱中症は運動・労働時に起こるとは限りません。
車内など狭い空間で気温・湿度が高い状態でも発症します。
特に湿度が高いと起こりやすくなります。
さらに起きる条件として
①前日に比べ気温が急に上がった時
②梅雨明けしたばかりの時
③アスファルトなど人工的な舗装がされている場所
④休み明け、または連日激しい運動が続いている時
などが挙げられます。一度、熱中症にかかった人は連続して起こりやすい傾向があり、
特に要注意は
①乳幼児・高齢者
②下痢・発熱など体調不良の人
③寝不足・疲労している人
④肥満の人
です。
熱射病を起こした場合は応急処置でいったん回復したようでも、必ず医師の診断を受けてください。
熱中症の症状、高齢者の対策、予防するには?
もしも身近な人に熱中症の症状があられたとき応急処置はどうすればよいのでしょうか。
基本は以下の3つです。
(1)休息
体を冷却しやすいように衣服をゆるめ、安静にします。
(2)冷却
涼しい場所で休ませます。風通しのよい日陰、
クーラーの効いた部屋に移動します。
また、氷嚢(ひょうのう)、氷塊などで腋(わき)の下、首のまわり、
脚の付け根などを冷やし、血液循環を通じて体温を早く冷まします。
(3)水分補給
意識がはっきりしていれば、水分補給(スポーツドリンク)を行います。
意識障害や吐き気がある場合は、医療機関での輸液が必要で、
救急車を呼んで至急医療施設へ搬送します。
また普段から熱中症にならないよう予防を心がけましょう。
●暑さに慣れるように適度な運動・・・春先から徐々に暑さに慣らしていきましょう
●運動中はこまめに水分補給・・・真夏の激しい運動時は1時間に1リッター
●涼しい服装・・・・熱を蓄積しないような服装
●外出では、できるだけ日陰を選ぶ
●帽子、日傘を使う
まとめ
父が熱中症になったことで、いろいろ調べることになりましたが、若い人でもスポーツをしない時でも熱中症にならないよう気をつけていきたいですね。