インフルエンザの特徴的な症状は、ぞくぞくとした感じに続く38~40度くらいの高熱です。
関節などの痛みとだるさが4~5日ほど続き、回復には7~10日かかります。
お年寄りが肺炎を、幼児の意識障害やひきつけは急性脳症を併発する場合もあります。
できたら、こんなつらいインフルエンザにはかからずにすませたいですよね。
今回は、感染経路を知って、予防する方法です。
>>インフルエンザの感染期間はどのくらい?家族は?解熱後も?
インフルエンザ感染経路を知ろう
インフルエンザウイルスが体に侵入してくる経路は、インフルエンザの場合“接触感染”と“飛沫感染”があります。
● 接触感染
病源体が直接生体に接触して侵入する。
侵入する入り口は口・鼻・耳・目・腸管・皮膚などさまざま。
● 飛沫感染
インフルエンザにかかった人がせきをしたり、しゃべるときに出る唾液に病源体が混じって飛び出し、それを吸い込むことによって病源体が侵入する。
くしゃみなどで飛び出す距離は1m前後。
インフルエンザ感染の予防方法
感染症になるのは、〔病原体→生体への侵入→体の抵抗力、免疫との戦い→発病〕と進行するので、それぞれで病原体をブロックすれば、感染を防ぎ、発病を防ぐことができます。
私たちの普段の生活の中でできる予防方法とはどのようなものがあるのでしょうか。
① 手を洗う。
手を洗うときに必要なものは、流れ出るきれいな水と石鹸と手を拭くための清潔な布や紙。
石鹸を使って30秒間洗う。
② マスクをする。
飛沫感染の予防に重要ですね。
口・鼻・のどを乾燥から守る(自分の息で防ぐ)。
マスクはマナーとも言われます。
熱とせきが出始めた人は、のど・鼻などで増えた病源体が外へ出始め、飛沫感染のもととなります。これをマスクでバリアすることで外へ飛び出る病原体の量を減らせるのです。
③ うがい
うがいには病原体を直接洗い流す、病原体の力を弱くする、という効果もあるでしょうが、それより口の中を清潔にし、湿り気を与えておく、という効果のほうが高いのかもしれません。
④ 食事・生活リズム
かぜ・インフルエンザ予防には、普段の生活のしかたも大切。
健康3原則①バランスの良い食事②適度な運動③十分な睡眠を守ろう。
これさえ食べれば免疫力アップなどという食品はありません。
しかし、バランスの良い、きちんとした食事は、体を健康に保つ基本です。
そして、体を動かし、体力をつけていくことは、感染症に対する抵抗力をつけるために必要です。
十分な睡眠で生活リズムを整えることも健康の基本です。
インフルエンザワクチンは効果的!
インフルエンザ予防のためには、ワクチンの接種が効果的。
ワクチンはウイルスの型によって異なるため、毎年どの型のインフルエンザが流行するのかを予測して作られています。
ワクチンを接種すると、わたしたちのからだはワクチン液にふくまれているインフルエンザウイルスの成分に反応して、血液中に抗体というたんぱく質を作り出します。
この抗体が血液中に一定以上あると、いろいろなバリアを越えて生体に侵入してきたインフルエンザウイルスを攻撃します。
多くの場合には、抗体が十分できるので、ウイルスを生体から追い出してしますことができます。
少なめであっても、ウイルスがある程度増えて発病しますが、重症になることを防ぎ軽く済ませることができます。
小児の場合は、インフルエンザワクチンによる抗体のでき具合が大人より低いので、2回接種するようになっています。
毎年の接種をすることが、予防には効果的なのです。
>>インフルエンザの予防接種予約はいつから?受験生は?効果はいつまで?
もしかかってしまったときは
インフルエンザは症状がつらいことが多いので、対症薬が使われます。
ここ数年の間に抗インフルエンザウイルス薬(アマンタジン、タミフル、リレンザ)が、日本ではよく使われるようになりました。
アマンタジンはインフルエンザウイルスが人の細胞の中に侵入したときにその動きを抑えます。
タミフルやリレンザは、細胞の中で増えたインフルエンザウイルスがその細胞から外へ出るのを抑え込んで細胞から細胞へ広がるのを防ぎます。
インフルエンザの多くは自然に治りますが、症状がきつくつらかったり、時に合併症を起こしたりするので、抗インフルエンザ薬が使われることが多くなりました。
抗インフルエンザ薬の最たる効果は、早く熱が下がり楽になることです。
ことに熱が出てから48時間以内に使うとより高い効果があります。
解熱後2日といいますが、熱が下がったとしても発症後約7日間は他人に感染するウイルスを排出していますので、気をつけましょう。